2018年2月17日

句集『民話の罠』永田タヱ子(ながた たえこ)


著書略歴 
  永田タヱ子(ながた・たえこ)
  昭和45年 句集『ハワイ旅日記』
  昭和49年 句集『ヨーロッパ旅日記』
  昭和50年 句集Fカナダ・アメリカ旅日記』
  昭和51年 句集『オーストリア旅日記』
       (インスブルックオリンピック冬季観戦)
  昭和53年 句集『メキシコ・アメリカ旅日記』
  昭和54年 句集『カナダ・中南米・アメリカ旅日記』
  昭和63年 句集『永田伸』
  平成2年 句集『掌』
  平成15年 句集『鳥の夢』
  現代俳句協会会員 九州俳句所属
  宮崎県俳句協会会員 宮崎県現代俳句協会会員
  「海程」同人 流域 小林合歓の句会世話人   

         谷おぼろ扁平足の母と寝る

     神無月だから寝覚めのはにかみぬ

    海鳴りをかぶる一戸の灯をまもる

    そののちを語らぬ卯波溺谷

    天の水張り棚田逆さ富士



    おぼろなりわれに石積む遊びかな

    八月や歩くひとりを追越せり

    みしらぬ町曲っても曲っても風花

    影よりも先に沈めり鏡餅

    白濁のふいに活き活き雪解川

    万象の芽吹きの旅はスニーカー

    黄落の黄落大地にもどりけり

    土橋渡るはらから八人春どなり

    絆とは完熟トマトのようなもの

    秋空へ耳の遊べり童唄

    陽ところげ山を出てゆく秋出水

    果てしなく代田ととのう平野かな

    右耳を充満させる秋谺

    登るほど山が弓なり昼寝覚

    おぼろの世それぞれの箸持ち寄れり

    海色のこわれないよう干物焼く

    自転車に木枯し連れて踏みこめり

    八月やいちばん明るい木にのぼる

    箱眼鏡山下淳の笑い顔

    秋風をもらい人間軽くなる

    花は実に地に熟睡の母となり

    顎怠くなるまで見送る差羽かな

    秋灯火民話の罠にかかりけり

    大花野ふいに失速膝頭

    たましいの行くところなし霧襖





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