2017年11月18日

海程創刊50周年記念アンソロジー【同人の章・さ行~た行】


 斉 木 ギ ニ
バックミラーに消える途中の白あやめ
五体投地なにか言いけり海を指し
みしらぬ岸を崖と名づけて旅つづく
はぐれてから記憶はじまる雁が飛ぶ
感情の広い林にパセリの家
この雪は積もるよと言う 思わない
一晩中鶴を通して鏡曇る
白樺は小鬼見終わり眠るかな
Smileを菫と書いて手紙終ゆ
ふらここという空中都市に一人かな


  齋 藤 一 湖
青山河薄い風景縫い合わす
素潜りはゆっくり空へ還るかたち
伊勢青し頑固な螺子が一つ取れ
鉦叩知恵なき我は打たれよう
原子村廻りは桃で囲もうか
金縛りのごと夕焼け見ておりぬ
風鈴や今夜の風が遅刻せり
曲り瓜どこか寄り道してるはず
最澄の一滴重し山の萩
凩のような説法聞いている