2017年8月6日

海程句集3 海程創刊50周年記念アンソロジー・物故同人

阿部 完市 
慎重に銀木犀を思いたり
蓴菜はもつとも形式的である
鶏の天地無用にありにけり
寒卵地面つくづくつづくなり
会釈して北陸道に入りにけり
さんくと・ぺてるぶるぐ全天窓かな
撒水車らぶそでい・いん・ぶるう撒く

  相澤 和郎
月出てゐる雨降つてゐる萩の寺
カザグルマ廻つてる燕舞つている
みつめればはにかむ枝垂桜かな
瓦屋根越えてゆけない赤蜻蛉
並木直立不動の冬が来る
消しゴムでごしごし消すや泡立草
各駅へ桜前線停車する

 阿部 娘子
こめかみの熟睡の木より夏鴉
父の日の雨のあひるが歩き出す
ちちははに在りし戦歴長け藜
水呑んでひとりあそびの山の蛭
白粥を向こうへ吹いて十二月
青南瓜やさしく叩き國分尼寺
茶が咲いて石くれ六つ初の旅

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