2017年5月27日

兜太のエッセー「 母逝きて与太なり倅の鼻光る」



関口宏の「人生の詩」に出演した金子先生の写真で、これは幼き日の兜太と母のはるさんの写真です。ふっくらと丸髷に結い縞の着物で立つ親子。句碑にまでなった有名な句、


夏の山国母いてわれを与太と言う          『皆之』

 母は、秩父盆地の開業医の父のあとを、長男の私か継ぐものと思い込んでいたので、医者にもならず、俳句という飯の種にもならなそうなことに浮身をやつしてる私に腹を立てていた。碌でなしぐらいの気持ちで、トウ太と呼ばずヨ太と呼んでいて、私もいつか慣れてしまっていた。いや百四歳で死ぬまで与太で通した母が懐しい。        

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