2017年1月7日

金子兜太俳句の歩みを辿る  安西 篤

 

 金子兜太は、96歳の現在もなお現役並みの俳句活動を続けており、今や俳壇のみならず、文化交流のメディアとしての役割を果たしうる時代の牽引者の位置にある片言っていい。兜太自身、自らのアイデンティティは俳句であると言うように、その生涯は俳句の歩みとともにあった。その歩みは五つの時期に分けることが出来る。

2017年1月5日

最近作20句 金子兜太

WEP俳句通信  VOL89
926+E
最近作20句            金子兜太

青春の十五年戦争の狐火

集団自衛へ餓鬼のごとしよ濡れそぼつ

満作咲き猪(しし)の道ゆく人の声

わが海市古き佳き友のちらほら

わが友よ春の嵐に子犬拾う


人という生きもの駅伝の白ら息

白寿過ぎねば長寿にあらず初山河

転た寝のわれに句を生む産土あり

被曝福島狐花捨子花咲くよ

覗く樹間に自曼珠沙華ふと居たり

白曼珠沙華白猫も居るぞ

わが面(つら)と曇天嫌いの彼岸花

人の暮しに川蟹の谷蛇渡る

牽強付会の改憲国会春落葉

里山の野に蟹棲むと童唄

雲巨大なりところ天啜る

姨捨は緑のなかに翁の彭

緑渓に己が愚とあり死なぬ

朝蝉よ若者逝きて何んの国ぞ

暑し鴉よ被曝フクシマの山野

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