2017年2月22日

「歳時記」いろいろ

          
現代俳句歳時記――1997刊 編者・金子兜太 チクマ秀版社
春、夏、秋、冬、新年の5種類に加えて「雑 ぞう」のがある。例句は明治以降の近、現代俳句に限定し特に昭和後期の作品に傾けて選んだ。一つのアンソロジーとしても読んでもらいたい。
 春日 春日 春陽 春日影 春の朝日、春の夕日 春の入日
 春日向、春の太陽を指す場合(天文)と、春の一日を指す場合(時候)がある。
のびちぢむ北国の春日の言葉       古田 吉乗
父の春日の牛きて父とあそぶ世ぞ     阿部 完市
灰の中に生きとる虫や春日影       中塚一碧楼
春落日しかし日暮れを急がない      金子 兜太

現代歳時記――1997刊 編者・金子兜太・黒田杏子・夏石番矢
陽暦による「月別」は新年から始まり12月に終わる。新年 年の始 年改まる 年立つ 新玉の年 年明く 年来る 年初 年頭 年迎え年の始めである。新春ともいう。陰暦では、新年と春とが同時期であることから、春といえば新年と同義につかわれた。現在もそれが生きていて、今朝の春、明けの春、などという。

句を捨てゝしづかに年の改まり      黒田杏子
新年の謎のかたちに自在鈎        平井照敏
新年ノ鏡二梵字ノ雨が降ル        夏石番矢
禅僧の空まで掃きて年明ける       神山姫余
ジェラシーめく自画像仰ぎ年あらた    上原勝子

現代子ども俳句歳時記――1999刊 編者・金子兜太 
チクマ秀版社
春・夏・秋・冬・無季。原則として小学校で習う学習漢字と日常使う常用漢字を使い、小学校4年以上で使う漢字にはふりがなをつけた。
二月(にがつ) 三月(さんがつ) 四月(しがつ) 立春(りっしゅん) 春来る(はるきたる)
早春(そうしゅん) 晩春(ばんしゅん)

まだ寒さが厳しく、春らしい気配(けはい)が十分に感じられない「立春」の二月四日ころを「早春」または「春浅し(はるあさ)」といいます。そろそろ暖かくなったかなと思うと、また寒さがもどってきたりしながら、だんだんと春は近づいてきます。「三月」になると、寒さもやわらいで、次第(はだい)に気温が上がってきます。三月なかばから四月にかけては、日本の各地で最も似が花がさく時で、春さかりとなります。北の地方では、五月ころにさくところもありま謌 す。「晩春(ばんしゅん)」は春の終わりのころのことです。

二月の風甘ずっぱさに広がる夜空   十六歳   小川 南
立春の太陽空のまん中歩く      小学五年  稲垣敦
野の花も四月に友達増えるのね    中学三年  熊谷知人

草木花歳時記――春の巻、夏の巻、秋の巻、冬の巻
編者は朝日俳壇の選者が担当・金子兜太、川崎展宏、飴山實、稲畑汀子、
1999年刊 朝日新聞社 3800E
季題「季語」は従来に準拠、主に陸上で植物、身近な藻類、キノコ類を取り上げ美しい写真
がついています。
令法つみやかかる山路にあき俵     鴻水
山里や旅にしあれば令法飯       塘雨
すずめ蜂令法が咲いた令法が咲いた   金子兜太
坂の村を石鏡(いじか)といえり令法の花 小木ひろ子
山の子の笑顔の中の令法かな      鈴木孝信
令法の花雨の匂いの野良着あり     遠藤秀子
鎌倉に弓引く音の令法かな       小林一枝
かつて飢饉証のように令法立つ     柴田美代孑
令法咲くごおっと風の一軒家      山中葛子
令法 はたつもり


鳥獣虫魚歳時記――春夏の巻・秋冬の巻 2000年刊 朝日新聞社3900E
監修・金子兜太、川崎展宏、飴山實、稲畑汀子
季題「季語」は従来に準拠、哺乳類、鳥類、両生類、魚介類、昆虫類を取り上げ美しい写真
がついています。

簪(かわず)にかはづの小腕おさへたり   暁台
痩蛙まけるな一茶是(これ)有り     一荼
夜の雲にひゞきて小田の蛙かな      飯田蛇笏
原稿紙ペンの遅速に遠蛙         吉屋信子
村の灯のまうへ山ある蛙かな       芝不器男
遠蛙酒の器の水を呑む          石川桂郎
影は身を出でて彳む夕蛙         齊藤 玄
日本の蛙荒鋤きの土くれに土くれに    金子兜太
田蛙の鼻先っまる伊‘賀の国        森 澄雄
熱の子に早鐘打って遠蛙         飯田龍太
左右へどぶ蛙や歩々に去る故郷      三橋敏雄




0 件のコメント:

コメントを投稿