2017年1月5日

最近作20句 金子兜太

WEP俳句通信  VOL89
926+E
最近作20句            金子兜太

青春の十五年戦争の狐火

集団自衛へ餓鬼のごとしよ濡れそぼつ

満作咲き猪(しし)の道ゆく人の声

わが海市古き佳き友のちらほら

わが友よ春の嵐に子犬拾う

人という生きもの駅伝の白ら息

白寿過ぎねば長寿にあらず初山河

転た寝のわれに句を生む産土あり

被曝福島狐花捨子花咲くよ

覗く樹間に自曼珠沙華ふと居たり

白曼珠沙華白猫も居るぞ

わが面(つら)と曇天嫌いの彼岸花

人の暮しに川蟹の谷蛇渡る

牽強付会の改憲国会春落葉

里山の野に蟹棲むと童唄

雲巨大なりところ天啜る

姨捨は緑のなかに翁の彭

緑渓に己が愚とあり死なぬ

朝蝉よ若者逝きて何んの国ぞ

暑し鴉よ被曝フクシマの山野

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