2016年11月23日

2016年11月 527号 〈好作三十句〉  金子兜太・抄出

海程 好作30句

河岸段丘川上村のキャベツ光る    石 川 修 治

サングラス歩幅は滅法広くなり     石 橋 いろり

終の息母はいちごに使いけり      伊 藤 道 郎

蘭鋳飼いたし夕日射す厨         大 池 美 木

暑さ言い取り敢えず摂る昼餉かな   大 西 恵美子

迷魂や最上舟唄にかなぶん       大 野 泰 司

何者と問われて休す薄暑かな      荻 谷   修

夜の秋聖書カバーに母の帯       奥 山 富 江

椰子の実を唄ひ涙す生身魂       かわい きよし

いつまでも戦後赤肉メロン生る     小 松   敦

黴臭きサルトル愛でて読む夜かな   佐久間 正城

蠅叩蠅拒むかに湾曲す          高 田 獄 舎

空蝉を抜けて緑色傾(かし)ぐかな      竹 本   仰

ふっと来るデジャブな場面桔梗は   立 川 真 理

光継ぐ被爆の蛍人なくに        立 川 瑠 璃

出征に妻の裸婦像無言館       谷 川   瞳

大夕焼この世の果てを見し如く    中 條 雅 夫

言葉尻とらえてつぷつぷ麦の飯    遠 山 恵 子

飛車角を思いのままに梅雨の雷    烏 井 國 臣

萍や難民の子ら捕虜ごっこ       中 川 邦 雄

母逝くやあらん限りの蛍呼ぶ      西   美恵子

福島はフクシマにあらず桃甘し    丹 羽 裕 子

母が父に嘘言う平和豆ごはん     根 本 菜穂子

烏賊墨を吐く腰痛じくっと悪さして   増 田 暁 子

塹壕に迷ひ螢の光曳く         増 田 天 志

蛇渡る身を奔流に打ちつけて     村 本 なずな

広島しずかに水水母水水母      望 月 士 郎

蛇衣を脱ぐ被曝地の川の縁      山 本 きよし

無頼なる医師と前後の富士詣     吉 田 憲 助

水ようかん私の反戦って弱い     六本木 いつき


竹丸ひとり合点日記
https://takemarunikki.blogspot.jp/




人気の投稿