「金子兜太句集」 2002年4月刊 芸林書房 1000E
アンソロジー 「少年、成長、金子兜太句集、蜿蜿、暗緑地誌、東国抄」
解説 佐佐木幸綱
兜太の俳句はさまざな読みかた、楽しみかたができる。中で、兜太の句ならではの楽しみかたは、時代に洽った読みをしてみることだろう。いつの時代の句か。何年代の句集の句か。それぞれの時代と句との緊張関係を考えながら読んでみるのである。
短歌は、近代以後、時代社会と接近しか地点でうたう方法を選んできた。だから、斎藤茂吉の五・一五事件の歌とか、北原白秋の二二六事件の歌など、直接、事件に取材した作もあるし、時代の動きや傾向に敏感に反応して作られた作も多くある。いっぽう、俳句の方は、超時代、脱時代的な行きかたを近代に選んだ。時代社会にかかわること少なく、花鳥諷詠を主としたこと、ご存じのとおりである。
アンソロジー 「少年、成長、金子兜太句集、蜿蜿、暗緑地誌、東国抄」
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解説 佐佐木幸綱
兜太の俳句はさまざな読みかた、楽しみかたができる。中で、兜太の句ならではの楽しみかたは、時代に洽った読みをしてみることだろう。いつの時代の句か。何年代の句集の句か。それぞれの時代と句との緊張関係を考えながら読んでみるのである。
短歌は、近代以後、時代社会と接近しか地点でうたう方法を選んできた。だから、斎藤茂吉の五・一五事件の歌とか、北原白秋の二二六事件の歌など、直接、事件に取材した作もあるし、時代の動きや傾向に敏感に反応して作られた作も多くある。いっぽう、俳句の方は、超時代、脱時代的な行きかたを近代に選んだ。時代社会にかかわること少なく、花鳥諷詠を主としたこと、ご存じのとおりである。