2015年6月15日

「日本行脚俳句旅」金子兜太・正津勉


アーツアンドクラフツ1300+税
2014年8月刊 アーツアンドクラフツ 1300E
『日本行脚 俳句旅』金子兜太・正津勉 
アーツアンドクラフツ 定価1300E 2014年8月10日刊
詩人の正津勉が編んだ「金子兜太の日本行脚俳句旅」はひと味ちがう句集です。作者なら思い入れのある句は強調するし、句集の味つけとして入れた軽快な句もある。作者は見せたい句が引き立つように句集を編むが、この句集は、作者の主張は引っ込められて、詩人が旅をした気分で編まれている。
兜太の初期のごつごつした句と後半のふくよかな句が混合され、味わいが深くなっている。句に自解の単文が挟まれているので読み物としても楽しい。

帯より・日常すべてが旅
「定住漂泊」の俳人が、北はオホーツク海から南は沖縄までを行脚。道々、吐いた句を、時空を超えて、遊山の詩人が跡づける。* 北海道篇* 東北篇* 関東篇* 秩父・熊谷篇* 中部・北陸篇* 関西篇* 四国・中国篇* 九州編

関東の旅
どれも口美し晩夏のジャズ一団       兜太   (蜿蜿)       
暗黒や関東平野に火事一つ         兜太   (暗緑地誌)
よく眠る夢の枯野が青むまで        兜太   (東国抄)
春北風(はるならい) 茫と弁当食べる子ら   兜太   (未掲載)

凡 例
・本書は、金子兜太の俳句および自解をもって日本行脚とした。
・各章の俳句および自解は、基本的に句集の発行年順に並べた。
・また俳句のみに関しては、地域ごとのまとまりを意識して、
 かならずしも句集の発行年順とはなっていない。
・各章の最初に、正津勉による解説を付した。
・俳句は、『金子兜太集 第一巻』(筑摩書房、2002年刊)と
 『日常』(ふらんす堂刊、2009年)を底本とした。
・自解は『金子兜太集 第四巻』(筑摩書房、2002年刊)と
 『中年からの俳句人生塾』(海竜社刊、2004年)、
 『金子兜太自選自解』(角川学芸出版、2012年刊)ほかを
  元に、あらたに著者が若干手を入れ構成した。
あとがき        金子兜太
 日本列島で訪れていないところは、大雑把に言って、島根県の西半分から山口県の
北半分くらいだろう。それもほとんど俳句関係で、自分で行こうとおもったことはな
い。

 旅ということにあまり興味がないのである。五十の頃から、人間を存在者として見
ることに関心を集中し、広瀬惟然や小林一茶、さては井上井月、種田山頭火、尾崎放
哉といった人たちを見詰めるようになって、「定住漂泊」ということを自分なりに思
い詰めることになっていた。俗に言う、日常すべてが旅ということに重なる。・・・・

0 件のコメント:

コメントを投稿