2015年5月12日

金子兜太句碑 愛知県伊良湖岬



差羽帰り来て伊良湖よ夏満ちたり    兜太
2005年建立
句碑の場所・知県田原市伊良湖岬

 2015/1   425号     「木」より

山田哲夫が句碑建立について書いて います。

「海程」全国大会イン伊良湖が、渥美半島の先端の伊良湖ビューホテルで開催されたのは、平成15(2003)年の5月24日(土)~26日(月)のことであった。この年も例年に倣い、初日は午後総会のあと第一次俳句会、夜は懇親会が行われ、二日目は午前に第二次俳句会、午後は渥美半島吟行、夜はグループ交流句会、第三日目は午前に第三次俳句会が行われた。


この年例年と違ったのは、大会の開催中に金子兜太先生の芸術院賞御受賞が決まり、このビッグニュースが全国に報道されたことと、この大会の中で、懇親会前に「伊良湖岬と
文学」という題で当時地元の県立福江高校教頭の葉山茂生氏の講演を聞ぐ時間が入ったことであった。金子兜太先生の伊良湖句碑の俳句

差羽帰り来て伊良湖よ夏満ちたり

が作成されたのは、この折のことであった。金子先生は、この句会の二日目の夜の交流会前に、森下草城子氏に伊良湖で作句された次の五句を示された。

 差羽帰り来て伊良湖よ夏満ちたり
 曇れば夏波更に白しよ伊良湖崎
 伊良湖晴れたり白芥子の杜国
 青葉潮若き杜国に芭蕉ありき
 岬に拾う芭蕉杜国の夏の影
 
そして、草城子氏はこの五句の内から句碑にする句を一句選びたいと言うことで、部屋に持ってこられた。
部屋には、山口伸氏、故北川邦陽氏、私か川て、四人でどの句を選べばよいかを話し合ったった。その時の様子では、どれも捨てがたいが、中でもこの。「差羽帰り来て~」の句と「伊良湖晴れたり~」の句が私たらの間で推す人が多かったように記憶している。

そして、更にこの句に的を紋りって検討する中で、前句は差羽が南へ渡る句でなくて、逆に南方から帰って来る様子が書かれているとして、果たしてそういう事実があるのか否かを確かめてみる必要があると云うことになった。鷹の渡りの研究家でもある葉山氏に、早速私の方から電話で確認してみた。

 葉山氏から、「差羽は十月初め頃一斉に南に渡るが、それが再びこちらへ帰って来る時は、少しずつで帰る。三月中旬頃から五月上旬頃までに帰って来て、日本の各地で卵を産
み、雛を孵して夏を過ごす。従って、金子先生の句に全く矛盾はなく、丁度今の季節のこととマッチしていて、これを句碑にしていただければ、地元としては大変ありかたい。」
とのことであった。早速これを三人に伝えたところ、即全員一致でこの句を推奨させてもらうこととなった。
 
 この句は、翌日の第三次句会でも出され、高得点を得た。
そして、後日金子先生は句集「日常」の中にこの内の四句を入集され、前掲中五句目の「岬に拾う芭蕉杜国の夏の影」の句は、「一つ一つ青葉潮から来る白波」という句に変更
されて人集されている。
更に、平成19年名古屋で開催された第45回現代俳句全国大会の際には、この伊良湖句碑の「麓羽爍リ来て伊良湖よ夏澗ちたり」の句は、図書カードに印刷されて、人会参加者に配布されて、全国的に知られることとなった。
 ところで、この句碑建立の経過については、まだ触れていなかったが金子先生の芸術院賞を受賞されたことを記念し草城子を中心にして建立されました。(抜粋です)

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