2018年2月19日

兜太句を味わう「おおかみが蚕飼の村を歩いていた 」

 

金子兜太と言えば一連の「オオカミ」の句がある

故郷の秩父三峯神社は狼が守護神、狛犬の代わりに神社各所に狼の像が鎮座している。
江戸時代には、秩父の山中に棲息する狼を、猪などから農作物を守る眷族・神使とし「お犬さま」として崇めるようになったそうです。
小倉美惠子著「オオカミの護符」にも書かれています。金子先生は「生きもの同士の共感、」相手の生きものに「原郷」というものを感じていた。その原郷はアニミズムの世界であると述べています。

 狼をりゆう神と呼びしわが祖
 
 暁闇を猪(しし)やおおかみが通る

 おおかみが蚕飼(こがい)の村を歩いていた

 おおかみに目合(まぐわい)の家の人声ひとごえ

 おおかみに蛍が一つ付いていた

 狼生く無時間を生きて咆哮

 山鳴りに唸りを合わせ狼生く

 山鳴りときに狼そのものであった

 狼や緑泥片岩に亡骸 (なきがら)

 山陰に狼の群れ明くある 
(やまかげに おおかみのむれ あかくある)

 狼の往き来檀の木のあたり

 狼墜つ落下速度は測り知れず

 狼に転がり墜ちた岩の音

 狼を龍神と呼ぶ山河かな 





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