2015年5月14日

兜太句を味わう「涙なし蝶かんかんと触れ合いて」金子兜太    


涙なし蝶かんかんと触れ合いて       金子兜太 
 
                                     「兜太百句を読む」池田澄子

金子 これはねえ、この庭です、ええ、この庭。これは入れて

もらいたい    句、自分では好きな句なんです。

池田 「蝶かんかん」は空気が乾燥しているということでしょうか。

春の野のひらひらした蝶ではなくて、暑い日の、中空と言う
のでしょうか、そんな景が思われます。抒情を振り切ろうとして
いる気迫が感じられますね。「涙なし」をどう読んだらいいのか、
そこが難しいですが、どう読んでもよさそうで、そこが読者の
判断が分かれるところかと思います。

人・作者の「涙なし」とも読めますし、蝶に涙なし、とも読めます。
「世」に「涙なし」とも読めます。先生の俳句の中では、ストレー
トには通じにくいタイプに入る俳句で、私には読みに自信が持てな
いタイプではあります。ですが、若すぎない青春性が気持ちよくて
魅力があります。渇きに清潔感があるんです。「かんかん」の音の
響きと「蝶」との意外性、それが快晴の渇きを感じることで清潔感
を感じさせるのだと思います。

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